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第5回 会社設立:協会けんぽと建設国保、どちらに入るべき?

行政書士が教える株式会社を作るメリットとデメリット 協会けんぽと建設国保

建設業者のみなさま、お仕事お疲れ様です。

社会保険は協会けんぽと建設国保、どちらに入るべきなのか、迷われていませんか?

今回は、建設業者の方が入られる「建設国保」についてご説明します。その前に、まずは公的医療制度についても少しご紹介しますね。

 

1 公的医療制度は4つ

 

(1)公的医療保険制度×4

公的医療制度として、以下の4つがあります。

①会社員が加入する健康保険(略して協会けんぽと言います。)

②公務員が加入する「共済」

③船員が加入する「船員保険」

④上記以外の方が加入する「国民健康保険」(略して国保と言います。)

という4つの制度です。

 

聞きなれないものもありますね。国民健康保険は、よく聞かれるのではないですか?ご存じだとは思いますが、少し、国民健康保険について見ていきましょう。

 

2)国民健康保険(国保)とは

 

国民健康保険(国保)と一口で言っても、その中には2つの制度があります。

具体的には、「市町村」が運営する国民健康保険と「組合」が運営する国民健康保険の2つです。

 

国民健康保険って、お住まいの市役所等に窓口があるイメージはありませんか?これが「市町村」が運営する国民保険に当たります。

 

他方、組合が運営する国民保険については、あまり耳にすることがないので、その存在をご存じない方もいらっしゃるかもしれません。

 

では、「組合国保」ってどんな制度なのでしょうか。

簡単に言うと「同業の自営業者が作る国民保険」です。

まず、この組合国保へ加入するには、その業者団体で構成される組合の組合員になる必要があります。

組合員の資格については各組合ごとに要件が決められていますが、例えば、「医師国保」に加入するには医師でなければなりませんし、「建設国保」に加入するには建設業を営んでいなければならないという決まりがあります。

 

ここで、出てきました「建設国保」。

これが建設業者さんに大きく関係するものですので、詳しくご紹介していきたいと思います。

建設国保については団体がいくつもあります。ここでは全国建設工事業国民健康保険組合(以下、建設国保と言います。)について、ご紹介しますね。

 

2 建設国保って何?

 

(1)「建設国保」って何でしょうか?

「建設国保」とは、全国の大工・とび・土木・造園・左官・板金などの建設工事業に従事する仲間が集まって設立された国民保険の組合です。

万が一、病気やケガになったときのために、組合員で出し合った保険料と国からの補助金で、お互いに助け合いましょうという制度です。建設業に従事している組合員とその家族の健康と生活を守るために運営されているものです。

 

(2)誰が加入できるの?

建設工事業に携わっている方で、原則、個人事業所又は一人親方の方が加入できます。

 

(3)保険料はいくら?

保険料は所得には関係ありません。

組合員の年齢、事業所および就労形態、家族の人数構成によって決められています。具体的な金額は次の項目でご紹介しますね。

給付は市町村国保と同じ給付のほかに、組合員の方が入院や・出産で仕事を休んだときの傷病手当金・出産手当金などもあります。

 

(3)建設国保に入るメリットとデメリットは?

 

では、建設国保に加入するメリットとデメリットを考えてみましょう。

(1)保険料について

建設国保を含む組合国保は、市町村が運営している国保に比べると、以下のような特徴があります。

①保険料金が一律の場合が多く、高所得者の保険料負担が低いこと

②給付内容が手厚いこと

組合国保の保険料は、は一律15,000円~25,000円(組合員)です。

 

(2)負担額について

① 協会けんぽと比べてみましょう。

協会けんぽ(全国健康保険協会)では、毎月の給料などの報酬の月額を区切りのよい幅で区分した標準報酬月額と標準賞与額を設定し、保険料の額や保険給付の額を計算します。つまり給料と賞与の金額に応じて保険料が決められているので、所得が多い人ほど、保険料も高くなる仕組みです。

また協会けんぽは、会社と従業員が保険料を折半して負担します。

 

② じゃあ、建設国保の場合は?

これに対して、建設国保はその名の通り国民健康保険なので、保険料は被保険者である従業員が全額負担し、事業主は支払いません。会社が保険料を負担することはありませんので、事業主の負担が少なく済みます。

負担の面だけみればメリットとも言えます。もっとも、これは会社から見た負担金の話だけですので、これに従業員が魅力を感じるかは別問題ですので、注意が必要なところでもありますね。

 

(3)保障期間について

協会けんぽは傷病手当金が支給される期間が、支給開始した日から最長1年6ヵ月であるのに対して、建設国保は組合員が病気やケガで入院して仕事を休んだとき、連続3日間(待期)の入院を含み、4日目から最高で90日を限度としての支給となります。

 

4 加入時期の注意事項

 

現在、建設業の許可業者には「社会保険(雇用保険・厚生年金・健康保険)の加入を徹底するような取り組みを行われています。

具体的には「建設業許可の更新」や「指名競争入札」、「経営事項審査」で保険加入の確認がなされている状況です。

法人や従業員5人以上の個人事業は、健康保険に加入しなければなりません。

建設国保は法人事業所及び常時5人以上の従業員がいる事業所の新規加入はできません。「建設国保に加入したい」と思われた場合には、会社設立以前に建設国保に加入する必要がありますのでご注意ください。

また、建設国保などに加入している個人事業主が、法人成りした際、または従業員が5人以上になった際、建設国保などを継続することができ(手続きは必要です)、協会けんぽに加入しなくてもよいことになっています。

 

会社設立に伴い、保険加入をお考えになる必要がありますが、協会けんぽと建設国保(複数団体アリ)を詳しく比較・検討されてから、ご加入されると良いと思います。

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いかがでしたか。会社設立・法人化した場合、健康保険には絶対に加入しなければなりません。どうせ加入するのであれば、メリットの多いものを選びたいですものね。じっくりご検討ください。

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