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第3回 建設キャリアアップシステムのメリットとデメリット

建設キャリアアップシステムに登録することのメリットは何でしょうか?

事業者のメリットと技能者個人のメリットをそれぞれご紹介します。

 

建設業者の皆さま、お仕事お疲れ様です。

 

「建設キャリアアップシステム」という言葉を聞かれたことはありますか?
建設キャリアアップシステムとは国土交通省と建設業団体が一体となって登録を推進しているシステムです。
実際のところ、登録すればどんな良いことがあるのか、ないのか、ご一緒に見ていきたいと思います。

 

1 登録することのメリットは何でしょうか?

建設業界では、「建設キャリアアップシステム」の登録を推進する流れが出てきていますが、実際のところ登録すべきか、まだ先延ばしにしていていいものか、迷われていませんか。

メリットの方が大きければ、いつ登録すれば良いかという判断もしやすくなりますよね、どんなメリットがあるのか、ないのかおさらいしていきましょう。

 

(1)技能者の方の登録のメリットは?

 

前回も少しご紹介させて頂きましたが、一番、目玉として言われていることが、以下のことだと思います。

① 技能者が転職する場合、ICカードに蓄積された職歴や記録された資格が役立ちます。また独立する場合にも、自分がどのような経歴を有しているかの証明に役立ちます。

② 事業者の正当な評価を得て、待遇への反映を期待できるかも。

③ 複数の事業者に勤めていた場合でも、これまでに蓄積した経験や技能、保有資格など通算した経歴を事業者に提示することができるので、働く現場が変わっても能力に応じた賃金や待遇を期待できます。

事業者も有能な人材を確保するために、これまでの年功序列の賃金設定を改善したり、能力に応じた賃金システムを取り入れる必要が出てくることから、人材を育てることに力を入れることが期待できます。

 

 

(2)事業者の登録のメリットは?

 

次に、事業者が登録する場合のメリットです。

① 技能者の就業状況を簡単に把握することが出来るので、採用の際の資料として役立ちます。

② 特に元請け事業者は技能者の入退場にICカードを使うことで現場の入場管理の効率化が図れます。また登録される技能者情報は安全書類や作業員名簿、新規現場入場時のアンケートに記載される項目となっており、建設業退職金共済制度における証紙の貼付状況が確実かつ容易になることから事務作業が楽になります。

③ 下請け事業者も雇用する技能者の水準を把握できるので、自社の施工力をアピールしやすくなり受注機会を増やすことにつながります。

④ 建設キャリアアップシステムを活用した技能者能力評価が、「経営事項審査」の審査基準に導入されることが決定されたので、今後、評点値UPが期待できるようになると思われます。

 

★実際のところ、大手の下請けとして工事参入される中小規模の建設業者様の場合は、工事説明の会場でキャリアアップに登録しているか否かを、一社ずつ確認されているようです。大手にとっては、システム登録している方が管理しやすいですし、社会保険等の法律上の定めをクリアしているかについても、一目瞭然ですので、自然な流れだと思います。

 

2 デメリットは何でしょうか?

 

(1)技能者登録のデメリットは

 

ズバリ、手数料がかかることと、手続きが面倒なことの2つに尽きると思います。お金を払って登録しても使う場がなければ意味がないんじゃないの?と思われるのは当然です。

デメリットとして、よく言われているのが以下の2点です。

① キャリアアップシステムに登録するには、技能者一人あたり2,500円の手数料がかかります。

② ゼネコンは100%の登録を掲げていますので、「建設キャリアアップシステム」の登録をしていない技能者は、仕事受注の機会が減少することになります。

 

※これからの流れとして、建設業団体と国が一体となって推進していることから、登録推進は一層進むかもしれません。ずいぶん、このシステムや、システム登録推進のために費用もかけているようですので、建設業者さんが登録したくなるような(せざるを得ないような)案が出てくるのかもしれないですね。

実際、登録している人には経営事項審査で加点してメリットを与えようとしているのもそうですし、逆に登録していることを入札参加登録申請の条件にしようという試みも、登録を進めるための一案でしょう。

どうせなら、もっとメリットが大きいものを掲げてくれれば良いのにと思ってしまいますが、今後の流れを見つつ、随時情報をお伝えできればと思っています。

 

(2)事業者登録のデメリットは?

 

① 元請け事業者が現場の入場にシステムを導入するには、ICカードリーダーを用意する必要があります。

② キャリアアップシステムに登録するには、事業者一社につき、資本金に応じた額の手数料がかかります。

③ 技能者の場合と同じですが、ゼネコンは100%の登録を掲げていますので、「建設キャリアアップシステム」の登録をしていない事業者は、仕事受注の機会が減少することになります。

④ 国土交通省は建設分野の技能実習生の受け入れに当たり、「建設キャリアアップシステム」へ登録することを義務付けています。実習生の雇用が決まってから登録するとしても登録完了までの期間が必要になるので速やかな受け入れのためには、周到な準備が必要です。

※外国人登録についての詳細は改めて、詳しくご紹介します。

 

(3)技能者、事業者共通のデメリット

 

技能者、事業者とも10月以降、原則として郵送申請がなくなり、インターネット申請になりました。ネット申請では不備が続出し、申請に手間と時間がかかっているようです。

問合せ先の窓口もメールのみとなりましたので、返信がくるのが2~3日後となっています。申請も1~2週間の審査期間がかかりますので、余裕を持って準備する必要があります。

 

追加:すでに登録方法については、改善が勧められ、ICカードですらなくなり顔認証でという話も出ております。

新しい情報が出ましたら、随時ご紹介していきたいと思います。

 

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メリットとデメリットを比較してみていかがでしたか?

登録するメリットは大きいでしょうか。

 

登録するには添付書類や確認資料を揃えて申請する必要があります。

次回は、登録手続き方法についてご紹介したいと思います。

 

 

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代行報酬 県証紙代 合計
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