行政書士が教える会社設立のメリットとデメリット 建設業許可を取る場合のメリットは?
建設業者の皆さま、お仕事お疲れ様です。
行政書士の秋田です。
今回は、会社を設立した場合に、その後すぐに建設業新規許可の取得をお考えの場合にメリットがあるのか、時期はいつ頃が良いのかという点から検討してみたいと思います。
会社を設立したら建設業許可も一緒に~とお考えの方は一度お読み下さいね。
目次
1 建設業許可もとりますか?
(1)どんな場合に許可が必要ですか?
建設工事の完成を請け負うためには、その工事が公共工事であるか民間工事であるかを問わず、建設業法第3条に基づき建設業の許可を受けなければなりません。ただし、「500万円以下の軽微な建設工事」を請け負って営業する場合には、必ずしも建設業の許可は必要ありあません。
つまり、500万円以上の工事を請け負われる場合には建設業許可が必要ということになります。
(2)許可の種類は?
まず、建設業の許可には大臣許可と知事許可があり、2つ以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業しようとする場合は国土交通大臣許可が、1つの都道府県の区域内のみに営業所を設けて営業しようとする場合には都道府県知事が必要となります。
さらに、請け負う工事金額にによって、一般建設業許可と特定建設業許可に分かれています。特定建設業とは、工事施工金額が4000万円以上のものを指します。建築工事については6000万円以上になります。
どのような許可が必要かがお決まりになりましたか?
建設業許可は、要件を満たせば「個人」でも「法人」でも取得が可能です。
要件を満たしているかどうかというのは、自社(私)は建設業許可を取得するレベルにありますということを証明するものです。
(3)建設業許可取得のための要件のおさらい
簡単にまとめると、建設業許可を取得するためには5つの要件があります。
①経営業務の管理責任者がいること
②専任技術者を営業所ごとに置いていること
③請負契約に関して誠実性を有していること
④請負契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有していること
⑤欠格要件に該当しないこと
これらの要件をみたしていると認められてはじめて許可が与えられるのですから、一定程度の信頼は生まれるといえると思います。
また、公共工事に参加したい場合も、建設業許可を取得していることが必須です。さらに経営事項審査(経審)という審査を受け、点数化された評定値通知書を得て、入札参加資格を得ることが出来ます。
公共工事を直接、請負うというのは、大きなビジネスだと思います。
建設業許可を取得すれば、こうしたいという展望がおありの方は、会社を設立する目的も、建設会社としてのステップアップ、社会の信頼を増したいなど将来設計を見据えたうえでのことだと思います。
2 建設業許可と会社設立の関係
では、会社を設立することと建設業許可を取得することにどんな関係があるのでしょうか。メリットがあるなら利用したいものです。
(1)建設業許可を流用できるか?
個人から株式会社に変更した場合は、そのまま建設業課を流用できるのでしょうか?
結論から言うと、出来ません。
個人事業主としての建設業許可は会社(法人)には引き継げないため、会社(法人)で新たに建設業許可を取得し直す必要があります。
これは、会社(法人)と個人事業主とは別人格だからです。
(2)個人から法人に切り替えるときの注意点
建設業許可がない空白の期間が発生する場合があります。
個人から法人への許可申請については、「個人の建設業許可」の廃業届、併せて「法人の建設業許可の新規申請」が必要になります。
そのため「個人の廃業届」と「法人の建設業許可が下りる」までの期間に、許可がない空白期間ができてしまいます。
この期間は、「建設業許可がない」期間になりますので、一定金額以上の工事の受注ができなくなります。
申請する都道府県によってこの空白期間はマチマチです。
処分庁によってはその空白期間が発生しないように相談に乗って下さいますので事前に相談してみましょう。
(3)資本金について
現在、資本金に制限はなく、1円でも会社設立は可能です。
しかし、建設業許可を取得する場合、「500万円以上の資産能力」が要件として定められているため、自己資本が500万円以上なければいけません。
会社の預金残高が500万円以上であればよく、金融機関が預金残高証明書を発行してくれます。
仮に自己資本で要件を満たさない場合は、資金を調達する能力があることを証明しなければなりません。金融機関から資金の融資が受けられることができる場合は、融資可能証明書を発行してもらいます。
会社設立時に500万円以上の資本金がある場合で、かつ、設立から1年以内に建設業許可を取得する場合は、この預金残高証明書は不要になります。
会社設立時に資本金500万円以上を保有することを証明しているからです。
小さなことかもしれませんが、会社設立や許可取得など、金銭が必要なこの時期にわざわざ銀行に500万円以上を保有して証明してもらう手間が省けるのは助かりますね。
(4)代がわり~親から子への事業承継~
個人事業者の方が会社(法人)にされる場合に建設業許可を新たに取得しなおす必要があることはお伝えしましたが、個人事業者の方が代変わりする場合(父から子など)も、建設業許可を取得し直すことになります。
個人事業者に与えられている建設業許可は、あくまでも個人に対してのものなので、別の人が許可をそのまま引き継ぐことは出来ないからです。
それなら、法人化することで社長が父から子へ代表職を交替したとしても、建設業許可を維持したまま営業していくことを可能にする方が、代替わりがスムーズに可能だと言えます。
自分の跡を継いでくれる方がいるのなら、先々のことを考えて、まずは法人化したうえで建設業許可を取得することを検討されると良いでしょう。
お悩み中の皆さま、お気軽にご相談くださいませ。
お役に立てれば幸いです。
ご質問やお悩み相談は、メールもしくはお電話(通話料無料)でお気軽にご連絡ください。初回相談料は無料です。
建設業許可取得サポート費用のご案内 (税別)
代行報酬 | 県証紙代 | 合計 | |
新規許可 (知事/個人事業) |
120,000 | 90,000 | 210,000~ |
新規許可 (知事/法人) |
150,000 | 90,000 | 240,000~ |
建設業許可サポートサービスの詳細はこちらのページでご確認できます。
上記以外に、書類取得実費等が必要です。
上記報酬は、姫路市内で建設業許可を取得される場合の費用になります。