行政書士が教える会社設立のメリット・デメリット
まずは、会社設立による「信用力アップ」と「資金調達」についてご紹介しますので、会社設立を考えていらっしゃる皆様、ぜひご参考になさってくださいね。
目次
1 信用力アップついて
ひとことに「信用」と言っても様々な形があると思います。
実際の経営状況や実績など、目に見えるものもあれば、イメージのような目に見えないものもあります。
では、実際にどんな要素が「信用」に繋がっていると思われますか?
少し考えられるものをまとめてみました。
(1)情報の公開
まず、 外部に情報が公表される(登記事項証明書)という点があげられます。
個人の場合、情報は公開されませんが、会社の場合は、法務局で登記されることになります。登記事項証明書という書類は誰でも取得することができます。言い換えれば誰でもが、あなたの会社のことを知ることが出来るのです。
登記事項証明書を取られた方は、あなたの会社情報について、例えば会社名、本店の所在地、資本金の額、取締役は誰で監査役を置いているか、さらには代表取締役の住所まで知ることが出来ます。これは、会社法で取締役等の役員に責任が負わされる項目がたくさん記載あるのですが、代表取締役の情報や取締役の名前を知ることで責任者を知っておく、言わば担保の確認ができることになります。ちょっと大げさかもしれませんが、それだけ会社に対する責任を負う覚悟を世の中に示している(情報公開)ということになります。
つまり情報公開=信用につながっているのです。
(2)会社の数字
次に、会社の数字(経営状態)が詳しくわかるという点もあるでしょう。
個人の「確定申告書」は情報量が少ないのに対して、会社の「決算書・確定申告書」は、多くの情報が記載されるので、経営状態を詳しく見ることが可能です。取引する相手方や、金融機関からすれば、どちらの信用が高いと思われますか?
会社の「数字」が目に見える分、当然、会社の方を信用なさるのではないでしょうか。
(3) イメージの問題
次に、イメージの問題があると思います。とても抽象的な表現で拍子抜けされるかもしれませんが、イメージの力は絶大です。
想像してみてください。
例えば、あなたが家のリフォームを依頼するとして、「ヤマダリフォーム」と「株式会社ヤマダリフォーム」。
どんな印象を持たれますか?
どちらに安心感を持たれましたか?
率直にいうと、個人事業か~、もし何かあったら責任はどうやって取ってくれるんだろう。。
会社なら、やはり組織化されているイメージがあるので、例えば、職人さんに問題があれば、上司である上役に言えばいいな、さらには代表者にまで言うぞ、最後の最後には会社資金が担保となるよな~というところまでイメージなさったのではありませんか?
もちろん、内情は個々に異なりますので、一概にどちらに信用力があると言えるものではありません。
ですが、これが「株式会社」というイメージの力ではないでしょうか。
実際に、「昨年末に弊所で会社設立された建設業のお客様が、個人ではうまくいかなかった「単価交渉」が会社にした途端、上手くいったよ。」というお話をされていました。
(4) 会社組織と責任感
さらに、会社となると、実際がどうかは置いておいて、数人以上の組織であるというイメージを持たれることが多いと思います。これは従業員を雇用して運営しているということです。従業員を雇用して運営するということは、個人に比べて、より手厚い福利厚生があったり、それに伴う事務的な作業も多く、これらをしっかりとしているのだろうな~と考えられます。従って、個人よりも会社に課された責任の大きさから会社に対する信用度が必然的に増します。このイメージによる信用は、採用面でも力を発揮すると思います。
これ以外にも、様々な要素が信用を生んでいるでしょう。
逆に言えば、会社設立のメリットを受けるためには、これらをアピールする事が必須という事も言えると思います。
2 「資金調達」について
(1)資金調達について
資金調達については、よくこのような質問を受けます。
「会社の方が資金調達しやすいでしょうか?」
これに関しては、経営状況にもよりますので、一概にどちらとは言えません。
ただし、法人化することで調達しやすくなる点もいくつかあります。
① 銀行融資
決算書の信頼度が個人よりも高いので一般的には会社の方が融資を受けやすくなると思います。個人の場合、第三者に保証人をお願いしないといけないような場合でも、会社であれば、代表取締役個人が連帯保証人になれば、それで認められるケースが多いからです。
② 補助金・助成金
個人よりも法人の方が、補助金・助成金を受けられるメニューが多く、獲得のチャンスが広がります。ただし、まめに情報収集を出来るかどうかがで違ってくると思います。
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以上、会社設立によるメリットである「信用力アップ」と「資金調達」についてお伝えしました。
次回は、会社設立のメリットとデメリットをまとめておさらいしたいと思います。
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